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書籍執筆の裏側(ほぼ苦労話)その1|伊藤智基

こんにちは。国際政策学部総合政策学科の伊藤智基です。今回は、書籍執筆の裏側をご紹介します。

プロローグ

 私の専門は、「行政法」です。国際政策学部でも「行政法」という講義科目を担当しています。それだけで収まればハッピーなのですが、その他にも、「憲法」、「環境政策論」、「政策法務論」といった科目も担当しています。通常の法学部なら教員3.5人分でやるところを、1人でカバーしている感じです。本題に入る前ですが、すでにこれだけでも私の苦労がしのばれるところです。
 
 さてそのような私が、宇賀克也=小幡純子編著『条解国家賠償法』(弘文堂、2019年)の執筆分担をしたときの裏側(ほぼ苦労話)を、記憶が新しいうちに書いておこうと思います。ちなみにこの書籍は、全部で752p、執筆者は34人となっており、その中の一人が私でした(448pから471pが私の担当した箇所です)。

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 本来であれば書籍のCMを兼ねて、みなさん買ってください(あるいはぜひ手に取ってみてください)というべきところでしょうが、いかんせん専門書なので値段が高く、内容も一般の方向けではないため(研究者、弁護士、裁判官などの法曹関係者が参照するようなレベル)、何とも言い難いところです。出版社のHPには、「本を立ち読みする」ボタンがありますので、ご興味があれば、どうぞ。

執筆のきっかけ

 『条解国家賠償法』は、文字どおり、国家賠償法という法律を解説した書籍です。行政法学においては極めてメジャーな法律であり、山梨県立大学の講義「行政法Ⅱ」でも、だいたい3回分の講義を費やして解説しています。非常に短い法律であり、第1条から第6条までしかありません。にもかかわらず、この書籍は752pもありますので、いかに徹底的に解説しているかをお分かりいただけるかと思います。ちなみにそんなに何が書いてあるかというと、その条文が制定された経緯や、その条文に関する判例や学説が、詳細に書かれています。

 さてその国家賠償法に関する第一人者の一人として、本書の編著者のひとりである小幡純子先生がおられます。私の大学院時代からの指導教官、簡単にいえば師匠です。そして、その弟子である私も国家賠償法を研究していれば話はスムーズなのですが、決してそうではないにもかかわらず、この書籍の執筆者に加えていただきました。朱に交われば赤くなるとはこういうことを言うような、違うような気もします(?)。

 もちろん自分から執筆を志願したわけではありません(そんな恐れ多い事は致しません)。そうではなく、2017年夏ごろに、出版社から、「この度、条解国家賠償法の刊行に向けて、この箇所を執筆していただきたいのですが、承諾いただけますか」という内容の往復はがきが来たことに端を発します。そこには編著者として師匠のお名前もありましたので、そうなると「承諾する」のも恐れ多ければ、しかし「承諾しない」なんてもっと恐れ多いので、返事は一択で、「承諾いたします」と返信したわけです。

 まあつまり簡単にいうと、100%師匠のおかげで、私も執筆者に加えてもらったわけです(師匠と弟子の美しい関係です)。
 
 ちなみに『条解』シリーズはいろいろな法律について出版されてきており、私も常々参照してきた書籍ですが、今回はそれを執筆する側にまわることになったわけです。そうなると緊張して凝り固まってしまう・・・・かというと、私はそのあたりの頭の回路はいい感じに壊れておりまして、「自分には高い能力があるとは思わないけども、自分の能力の無さに絶望することもない」という性分ですので、まあ、書いて書けないことはないだろうと思っていたわけです(しかし、何事も想定と違うことが起こるもので、そこから苦労が始まるわけです)。

【ちょうど文章が長くなってきましたので、そしてちょうどいい感じの予告編になりましたので、このあたりで「その1」は終わりにしておこうと思います。続きは「その2」にて。】

読んでくださりありがとうございます。
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