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看護学部でどんな学びをしてみたいですか?〜専門領域をご紹介します

こんにちは。山梨県立大学の広報担当、兼清慎一です。看護学部の先生方に話を伺うと、専門やこれまでのキャリアが実に多様でびっくりすることがあります。「看護師にもいろいろな強みがあるんだなぁ」と気づかされます。その強みや専門性を高めるために、看護学部では専門の領域を踏まえた学びを深めることができます。そこで各領域をご紹介します。高校生のみなさんは看護学部でどんな学びをしてみたいですか。そして将来どんな看護師になりたいですか。そんなイメージを膨らませるのに以下の記事はきっと参考になるでしょう。

Open the way for Nursing! Welcome to the new world! |基礎看護学領域

基礎看護学領域
稲垣順子 西村明子 武井泰 大久保ひろ美 新藤裕治 早出春美

みなさんが入学して最初に学ぶ看護の科目が基礎看護学です。本学の基礎看護学領域では、1年次に、導入実習、看護学概論、基礎看護技術論Ⅰ・Ⅱ、ヘルスアセスメント基礎論、看護理論、2年次に実践基礎看護技術Ⅰ、看護過程展開論、基礎看護学実習Ⅰ・Ⅱ、3年次に専門職連携実習、4年次に文献講読セミナー、研究セミナーを学びます。

これらの教科目の中で、看護とは何か、看護の本質とは何か、ケアリングとは何かを理解し、Science&Artとしての看護を実践するための基礎的な知識とコミュニケーションスキルを含めた技術を学びます。また、臨床の現場で根拠に基づいた看護を実践できるように看護過程の展開方法を学びます。特に看護過程の中でアセスメント能力を身につけるためにフィジカルアセスメント技術、基盤となる看護理論も学び、臨床推論の基本的思考プロセスなど、看護の基盤となる能力を身につけることを目指しています。

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臨地実習では、対人関係の基盤となるコミュニケーションスキルを身に付け、患者さんや家族の持てる力を引き出したり、発揮できる看護実践、対象者の力を育むことを目指した看護実践や、1人の患者さんを受け持ち、心理社会的背景を含め患者さんの病態生理から臨床推論し、適切な看護実践ができるようトレーニングを行います。専門職連携実習では、広く地域包括システムの中でのチーム連携、協働、看護職の役割を学びます。

さらに、文献購読セミナー、研究セミナーでは、文献のクリティーク(批判的吟味)や研究計画の立案、実施まで一連の研究のプロセスを学びます。

これらの基盤をしっかりと身に付けることによって、この上に成人看護学や老年看護学など幅広い学問を積み上げることが可能になります。しかし、この基盤が細く薄く土台が弱ければ、その上にくる学問は積み上げることができなくなります。従って、広く、厚い土台となる基盤(基礎看護学領域の教科目)をしっかり身に付けることが非常に重要になります。基礎看護学領域はこれらの基盤を身に付け、看護学の発展に寄与できる人材育成を目指します。

子どもの未来を支える小児看護|小児看護学領域

小児看護学領域
宗村弥生 横森愛子 勝俣晴加

小児看護学では子どもと家族を対象に、子どもの健康障害や発達段階に応じた看護援助ができることを目指し学びます。

子どもの発達段階は、新生児期から乳幼児期、学童期、思春期と多岐に渡りますので、どのような成長発達をしていくかの知識は子どもを理解する上で欠かせません。小児看護学では段階的に子どもについて学びを深めていきます。講義や演習内容についてご紹介します。

小児看護学の講義は2年次から始まります。子どものより健康な成長発達を支援するために身体的機能の発達や認知機能、心理的発達の知識や子どもの権利を守る看護について学びます。この知識を土台にして、健康な子どもの援助技術の演習では、新生児モデル人形、乳児モデル人形を用いて、抱っこやおむつ交換、身体計測、バイタルサイン測定などを練習します。その後、甲府市内の保育園で実習し、子どもたちとのかかわりを通して、子どもの成長発達に合わせた援助を学びます。

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3年次には、2年次での学びを踏まえ、健康障害を持つ子どもたちと家族への看護実践をするための力をつけていきます。学内演習では、新生児モデル人形や乳児モデル人形、バイタルサイン人形、多機能シミュレーター人形など様々なシミュレーター機器を用いて実践的な技術を練習します。この時も、子どもにとって一番良い看護(子どもの最善の利益)となるよう、グループディスカッションを通して考えていきます。

小児看護3

3年後期から4年前期にかけては、県立中央病院小児病棟で実習します。患児を受けもたせていただき、これまでに学んだ知識や技術を応用して看護計画を立て実施します。

小児看護に興味がある学生は、4年次に統合演習で事例をもとにさらに実践的な演習を行っています。講義や演習、実習は小児病棟での豊富な経験をもつ教員達が、指導内容の検討を重ね、チームを組んで指導にあたっています。

小児看護4

21世紀は「こころの時代」|精神看護学領域

精神看護学領域
野澤由美 清水智嘉 三澤みのり

皆さんは「精神看護学」という言葉を聞いてどのようなをイメージするでしょうか?精神看護学というのは、心に病を抱えている人達に対する看護について学習する学問領域ではありますが、実はそれだけではありません。心の健康を増進したり、心の病を予防するための支援方法についても学習します。21世紀は「こころの時代」であり、「5人に1人は一生の間に何らかの精神的な疾患にかかる」とも言われています。皆さんにとっても決して遠い存在ではありません。

具体的に精神看護学の科目がどのように構成されているのかをご紹介します。

2年生になると「精神保健論」が開講します。この科目は人の心の健康について理解するとともに日常生活の中にあるストレスとその対処行動や問題解決に向けた支援を学習することや援助者としての自分自身を知ることが主な目的です。グループでの意見交換や体験学習を取り入れたり、地域で生活する精神障害を抱えた当事者やそのご家族、支援者の方々をお呼びし、話していただく授業もしています。

3年生になると「精神看護学」が開講します。この科目は入院中だけでなく、地域生活への復帰など様々な回復過程にある対象への看護について学ぶことが主な目的です。様々な精神疾患を持つ対象への理解とその看護についての学習を深め実習に向けて準備をしていきます。

精神看護学実習では、2週間の実習期間の中で病院に入院している対象を受け持ち、その人に必要な援助を考えたり、地域で生活する当事者の方の思いを聞くことで、どのように看護をするのかの実際を学びます。

精神看護学についてさらに探究したい学生は、「看護研究セミナー」や「看護実践総合演習」、「リエゾン精神看護」を通して学習を深めることもできます。

ぜひ一緒に山梨県立大学看護学部で学びませんか。皆さんをお待ちしております。

助けたい命がある! ~共に学ぼう成人看護~|成人看護学領域

成人看護学領域
遠藤みどり 平尾百合子 米田昭子 井川由貴 前澤美代子 渡辺かづみ 高岸弘美
山本奈央 高取充祥 武田真弓

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現代における人々の生活は多様化し、ストレスにさらされることも少なくありません。このような時代背景を踏まえ、現代の成人に生じやすい健康上の問題の予防と回復に向けて、成人期の身体的・心理社会的特性および、それぞれの特性に応じた健康問題を解決するための援助方法を学びます。

「成人・老年臨床看護学Ⅰ」では、急性期ならびに周手術期にある対象の身体侵襲レベルの予測と回避および形態・機能的変化への適応を促す援助の理論と方法を学びます。講義だけでなく、グループワークや実技等の演習を通して、必要な知識・技術を修得します。健康状態の急激な変化や生命の危機的状況にある患者の看護援助を学ぶとともに、人として尊厳を大切にした看護について学習します。さらに、生命の危機状態にある患者の家族援助についても学びます。

「成人・老年臨床看護学Ⅱ」では、慢性的な健康障害を抱える人がライフスタイルを調整し、その人らしい生活を行えるようにするための看護の基本的な知識、技術、態度を学びます。成人期にかかる病気の多くは、糖尿病、高血圧症など「生活習慣病」といわれているもので、長く付き合う病いとなります。その後の人生にも大きく影響するだけに、患者さんはもちろん、家族の方を含めた心と身体のケアが重要です。その時々の身体の状態に合わせながら、自分の役割や生活を調整し、必要なサポートについて検討しながら学んでいきます。

さらに臨床実習では、これまでに学習した既存の知識・技術・思考能力を活用し、統合して、患者を受持ち、個別性のある看護を展開します。身体的・心理社会的理解やその援助方法を学習すると同時に、看護実践能力の基礎となる人間関係能力、看護職に必要な役割や責務の重要性を学びます。

(下の写真:左は病棟実習の様子 右は学内演習の様子です)

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「共に学ぼう」を合言葉に、ハイテク人形を使用した心肺蘇生法(CPR)、輸液・吸引・シミュレーターを用いた呼吸音聴取、フットケア、リンパドレナージやアロマケアの体験など、命を助け、心を助ける看護について一緒に考えていきましょう。

女性の健康や妊娠中から産後までの女性と家族へのケアを学びましょう|母性看護学・助産学領域

母性看護学・助産学領域
名取初美 平田良江 萩原結花 飯嶋玲奈 神山とき江 渡邊由香

母性看護学・助産学領域の教員がする授業をご紹介します。
この領域の教員6人と実習助手1人の合計7人は、全員助産師です。

みなさん、母性看護学・助産学でどのようなことを学ぶと思いますか。おそらく皆さんが想像しているように、妊娠中から分娩、産後までの女性や赤ちゃん、ご家族のケアについて学修します。おなかで赤ちゃんの姿勢や、心臓の音を聞く方法を、妊婦モデルを使って学修します。他は、生まれた赤ちゃんのお風呂(沐浴)の入れ方や抱っこの仕方、おむつ交換の練習もします。3年生になったら実習に行って、妊婦さんやお産した方のケアや、赤ちゃんの沐浴、検温、おむつ交換を実際にします。みなさん、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこした経験はありますか。とても暖かいし、柔らかいです。そして生命力を感じます。それから、とにかく「かわいい‼」です。

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妊娠中から産後までの女性や家族のケアだけではなく、思春期から更年期、老年期の女性のケアも勉強します。妊娠したら健康に気を付けようと思っている人はいませんか。実は妊娠してからではなく、思春期女性の健康が次の世代の健康に大きく影響することがわかってきています。まさに高校生の皆さんの健康こそが、次世代の健康の源です。痩せていることはよくありません。痩せているということは、栄養が足りないということです。普通体形(BMI18.5以上25.0未満)が一番です。そんなことを勉強しています。自分の健康を見直す機会にもなるでしょう。

さらに、助産師の養成をしています。助産師を目指している人はいますか?助産師の仕事も魅力的です。助産師は、人がこの世に生まれるときに最初にその人(赤ちゃん)に触れるからです。命をこの手で支えるからです。実習では、赤ちゃんを取り上げます。学生はみんな生き生きと勉強しています。

未来の看護師さん、助産師さん、本学で一緒に女性の健康や妊娠中から産後までの女性と家族へのケアを学びましょう。

年をとるってどんなこと、高齢者にどんなイメージを持っていますか?|老年看護学領域

老年看護学領域
渡邊裕子 小山尚美 橋本晶子 茅野久美

みなさんは高齢者にどんなイメージを持っていますか?

『年をとるってどんなこと』

1. 年をとるってどんなこと 忘れっぽいというけれど
いっぱい詰まった知恵の箱 出すのにちょっと迷うだけ

2. 年をとるってどんなこと 耳は遠いし目も悪い
あらゆるものをキャッチして わたしを育てた疲れです

3. 年をとるってどんなこと 腰が曲がるというけれど
お世話になった人々に 感謝感謝の姿です

4. 年をとるってどんなこと 誰でも同じ年をとる
どうせとるなら元気よく 楽しく年をとりましょう      

出典:芹沢春江(2014)

この歌詞をみて、あなたはどんなことを感じますか?上記の歌詞は山梨県出身の98歳で亡くなった芹沢春江様が84歳の時に年賀状に書かれたものです。

老年看護学では、この歌詞にあるような高齢者の姿を、科学的に探究して看護を考えていきます。一方的な知識伝達型講義を聴くという受動的学習ではなく、アクティブラーニング(能動的な学習)を基本にすすめています。“なぜ?”“どうして?”と質問したり、ペアワークで意見交換したり、自己の考えを述べる機会を設けています。加齢や疾病に伴う身体的・心理的・社会的な変化のメカニズムを理解しながら高齢者の看護を考えていきます。

また「高齢者疑似体験」や地域で生活する方々にご協力いただきながら、高齢者の理解を深められるような演習も行います。例えば、「高齢者疑似体験」では、自分が何歳まで生きたいか、その時何と呼ばれていたいか等、自分の老年期をイメージした上で、疑似体験用グッズを装着し、加齢変化や実際の生活を体験します。

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近くのコンビニエンスストアまで行って実際に買い物をした学生は、「自動ドアが開いてからドアがあることに気づいた」「横を通り過ぎる人に気づかず怖かった」等、生活の中での不自由さを実感する一方で、「こういう状況に適応しながら自分を大切にしてくれる祖父母はすごいと思う。大切にしたい」と、高齢者に対する観方・考え方を深めていました。

さらに、身近な高齢者へのインタビューや介護老人保健施設での実習を通して、高齢者が私たちよりはるかに豊富な知識と経験をもった大きな存在であることを実感して理解を深めていきます。

(下の写真:左は実習の様子 右は演習の様子です)

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老年看護学実習を終えた学生の多くが、「老年看護は奥が深くて難しい・・・だけどおもしろい」と言います。「年をとるってどんなこと」を一緒に学んでみませんか?

みなさんと学べる日を楽しみにしています。

Welcome to 地域看護領域 \(^o^)/|地域看護学領域

地域看護学領域
佐藤悦子 泉宗美恵 依田純子 小尾栄子 須田由紀 横内理乃

すべてのライフステージやあらゆる健康レベルにある個人・家族、地域住民における、健康課題を見極め、その人らしい生活への支援をする看護について学びます。
そして、以下のような看護職を育成しています。

【公衆衛生看護】
 保健所・市町村または企業で活動する保健師
 ※詳しくは「保健師課程」のページをご覧ください。
【学校保健】
 学校で活動する養護教諭
 ※詳しくは「養護教諭一種免許状課程」のページをご覧ください。
【在宅看護】
 病院・診療所・訪問看護ステーションなど地域で暮らす人々を支援する看護師

🌸ここでは、「在宅看護」の科目の概要についてご案内します。
在宅看護では、地域で生活している個人・家族を対象として病気の予防や療養者への看護について学修していきます。
本学では、看護師として地域で暮らしている個人や家族の生活を考え、そのニーズを探求して看護を展開する力を養うことを目指します。そのために、在宅看護の講義・演習・実習と公衆衛生や・地域保健の科目を学びます。

🌸授業や実習の場面を紹介します。
【在宅看護活動論】
在宅で療養生活を送っている、脳卒中の後遺症で右半身マヒのある高齢者(花子さん)の事例を基に看護技術を学んでいます。

・演習室には、家庭用のお風呂が3パターンあります。
・療養者が安全で心地よく入浴できるための方法を、花子さん役、看護師役、家族介護者役になって、それぞれの立場から検討します。

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・療養者の自宅のお風呂場を想定し、お部屋からの移動を検討しています。
・病院と違って廊下は狭いし、お部屋との境には段差もあります。座布団や扇風機などの障害物もあって、車いす操作も大変そうです。

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【在宅看護論実習】
訪問看護ステーションで2週間の実習を行います。受け持ち療養者さんの病状の安定や生活の質の向上のための看護について考えていきます。     
・療養者さんへの援助を考えながら訪問看護ステーションを笑顔で出発です❣

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・実習カンファレンスのひとコマ:訪問看護師からの学びはとても大きいです。

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これからもよろしくお願いします。
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山梨県立大学の公式noteです。学生と教職員の「人が見える、声が聞こえる」noteを目指します。よろしくお願いいたします。

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