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学部を超えて地域と協同した15年間の地域研究事業

地域研究交流センターでは「地域と向き合い、地域に開かれた大学」であるための取り組みとして、地域と大学がともに地域の課題や文化に向き合い、研究事業を通じて課題解決や新しい価値を創造していくために、地域研究部門を設けています。3学部・研究科の教員から毎年参加を募り、複数学部の教員や地域の方々とで、地域貢献に資する共同研究を行うことを支援しています。今年度、地域研究交流センターは15周年を迎えました。これを機に開設時からの地域研究事業を振り返ってみました。

地域研究事業の振り返り

15年間で研究事業は123件ありました。年度によってばらつきはありますが、平均すると年8件ほどの研究事業が行われてきたことになります。次の図はその概要です。

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向かって右側の矢印がついている枠には、研究テーマのキーワードを記しています。それらの研究が何を目指していたかを表現したのが、向かって左側の枠です。123件の研究テーマが目指していたことは、大きく分けると図のように5つのまとまりになりました。これらの事業は、延べ256の機関、施設、組織、自治体、グループ、個人といった山梨県内外の人々との共同で行われました。専門機関や専門職だけでなく、様々な機関・個人がその役割・機能を駆使してつながり、また、教員は単独の学部ではなく、学部超えてその専門性が融合して取り組んだ実績といえるでしょう。それらを少し、紹介します。

研究事業の紹介

多参画社会の構築」は、国籍、年代、障がいの有無にかかわらず、多くの人々がその人らしく、住み慣れた地域で生活していけることを目指した取り組みです。15年間の研究事業の中では、最もこの分野の研究が多かったです。「新しい教育の場の創造」は、小学校教育から社会人の生涯教育まで、英語教育・いのちの学習・医療福祉専門教育など、学部の特徴を活かして幅広い教育の場へ新しい風を吹き込んできました。「地域産業の振興と地域の活性化」は、山梨の産業のさらなる発展や、市街地など地域の活性化、さらには市民の力に焦点を当てた取り組みもありました。「県民の保健・医療・福祉の充実」は、様々なライフステージ・様々な状況にある人々がより健康にこの地で生活できるため、地域の人々への直接的な働きかけに加えて、専門職間の連携や人々をケアする援助者を支援する等の視点からも取り組みが行われていました。「やまなしの文化の掘り起こしと価値創造」は、山梨の歴史や言語・文芸・名所といった文化の掘り起こしや、それらを通しての国際交流やロケ地情報、山梨の自然を活かしたヘルスプロモーションなど、山梨の文化・自然への新たなる価値創造にチャレンジしてきました。

これらの研究事業は各報告書で公開されています。山梨県立大学ホームページ「機関リポジトリ」をご覧ください。

研究のテーマの傾向

次に、15年間を大きく5年毎に分けて取り組みのテーマを見てみます。

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研究事業にタグをつけて、5年ごとに分けてみたところ、図のような傾向がありました。バブルの大きさは、取り組まれてきた内容の量の多さを示しています。両軸の0点が交差する原点からの距離が離れれば離れるほど、その年代の特徴的なテーマとなっています。特徴的なテーマが少しずつ変遷しながら研究事業が進んできたことが分かります。

このように、地域研究事業は、山梨の地域に根差した多彩な内容で、その時々の地域の課題に取り組んできました。今年度は3件の研究事業が取り組まれています。その成果につきましては、コロナ感染拡大予防対策やより多くの方々に知ってもらえるようにと、Webで発表する事を計画しております。

詳細につきましては、2021年3月2日(火)14時から行われます地域研究フォーラムでご案内できればと思っております。

今とこれからを見つめた時、コロナ禍や気候変動等で変わってきた日々に対する課題、日々山梨で暮らす県民の安心や生活の質の向上、県民皆参加の持続可能な社会つくりや地域が抱える様々な解決を目指した課題、富士や八ヶ岳山麓が私たちを日々変わらず見守っているように、変わらずにある山梨の自然や育んできた文化、など等、多様な課題と向き合い、ユニークな文化を掘り起こしながら、これからもその解決や新しい価値創造を研究事業を通して支援していきます。地域の方々と山梨県立大学との顔の見える関係づくりを持続しながらネットワークをつくり、山梨のソーシャルデザインに取り組んでいきたいと考えています。皆さんどうかお力をお貸しください。

文:野澤由美(山梨県立大学地域研究交流センター 研究部門長)


これからもよろしくお願いします。
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山梨県立大学の公式noteです。学生と教職員の「人が見える、声が聞こえる」noteを目指します。よろしくお願いいたします。